さてさて、前回 の続きです〜
今回は実際に走ってみて感じた事や、シフターの操作に関して解説して行きたいと思います。
■ 実走行でのレビュー
まず、最初に感じたのは試作版の時と比べて操作感が非常に軽くなったことですね。
製品版では可動部分にモリブデンコーティングが施され、動きが滑らかになってとてもイイ感じです。
もちろんメカ好きの人には、たまらない操作感触です(笑)
「 メカニカル・インフォメーション 」 とでも言いますか、手に伝わってくる機械の動きがなんとも言えず
どこか SF チックな感じもあって、「 操作する喜び 」 みたいなモノがありますね!
さて、本題に入りましょう。。。 (^^ゞポリポリ
シーケン・シフターはその名の通り、シフト操作をシーケンシャルパターンに換える装置です。
マジで WRCar 感覚 とでも言いますか 「 スパッ、スパッ 」 とシフトチェンジを素早く決められます。
クルマの戦闘力も、自分の腕も、1ランク上がった感じがしますね〜
特に 「 2速 → 3速 」、「 4速 → 5速 」 などは、純正 H パターンだと操作スピードにどうしても
限界がありますからね。
横G がかかっていたり、路面にギャップがあればなおのこと、H パターン操作は正確性に欠け
シフトタイミングが狂うばかりか、走りのリズムさえ奪われてしまいます。
路面状況が刻々と変わる実走行の中では、シーケンシャルの前後 I パターンの動きのほうが、
圧倒的に有利である事は言うまでもないでしょう。 (^-^)v
過去の WRC ビデオなどでシーケンシャルシフトの車内オンボードカメラ映像を見た事がある人は
お判りになると思いますが、H パターン操作と比べて リズム良くシフトチェンジが可能なのです。
コーナーからコーナーへ 「 パンッ 」、「 パンパンッ 」 と素早くシフトアップとダウンを繰り返して走る
WRCar コクピット内の映像を思い出してみて下さい。
シフト操作で走りのリズムを取っているようにも見えますよね!
そしてこの 「 走りのリズム 」 ってやつは、とても重要です。
WRC などでプロのドライバーの走りを見ても、あの流れるような走りのリズムが速さの原点で
ある事は明白ですからね。
純正 H パターンでは得られない、シーケンシャルパターンならではの 「 走りのリズム 」 を
GET 出来る唯一のアイテムとして、このシーケン・シフターはマジお薦めです!
ただし、シーケンシャルパターンゆえにギヤは順にしか入りませんので、完全に操作に慣れるまでは
それなりに戸惑う事は確かでしょう。
例えば 「 4速 → 2速にシフトダウン 」 と言うような操作は出来なくなります。
逆に言えば、車のスピードとエンジン回転数に対するギヤの選択を正しく理解する事が重要となり、
走りの基本とも言える部分がしっかりと身に付くとも言えますね。(^^ゞ
また、後ほど下記の 「 シーケンシフターの動作について 」 の所でもふれますが、シーケンシフターは
素早いギヤチェンジをするだけのモノではありません。
ゆっくり操作すればミッション・シンクロにも優しく、ゆっくりシフトチェンジします。
メカニカルな機構を介していても、強制的にシフトチェンジが行われるワケではありません。
H パターンの動きを I パターンに置き換えただけですから、シフトチェンジによってミッションにかかる
負担は同じだと思われます。
あと、これはメカニカルな構造を持つ関係上、仕方のない事だと思いますが、車が冷えている時と
暖まっている時とでは、多少操作感覚に差が出ます。 無論、取付時の調整でも変わってきますが
温間調整でシーケンシフターの調整すると、冷えている時はちょっと操作が固くなりますね。
( 温間調整 = 車が暖まっている状態で調整すること。その反対は冷間調整。 )
まあ、冷えてる時にシフトが固くなるのは純正 H パターンでもある現象だし、ちょっと走ればすぐに
軽く動くようになるので、これはあまり気にしなくても良いでしょう。
なお、全くの余談ではありますが、純正パターンからシーケンシフターの I パターンに変わるだけで
その操作方法を知らない人にとっては、動かすことすら出来ない場合もあるでしょう。
これはある意味、防犯にも役立つワケで、車両盗難対策にもなるかも知れません。(^^ゞ
■ シーケン・シフターの動作について
【 通常位置 】
通常、シフト操作をしていない時は、ギヤが入っていてもニュートラル状態でも、レバーの位置は
変わらず同じ位置にあります。
【 シフトアップ 】
クラッチを踏んで、レバーをゆっくり引いて行くと判りますが、感触が変わるポイント があります。
雰囲気的には、「 スーッ 」 と動く感じから、「 グイッ 」 と入る感触になります。
※ 上の写真では、(2) が 「 スーッ 」 と動く部分、(3)が 「 グイッ 」 と入る部分です。
「 グイッ 」 と入る感触の所が、実際にギヤが入る瞬間です。
この感触は純正 H パターンのギヤが入る時と同様ですね。
レバー操作をゆっくり行えば、ギヤもゆっくり入ります。
素早く操作すれば素早くギヤが入ります。
「 レバーの操作スピード = ギヤチェンジの動作スピード 」 になります。
走りの状況に合わせたギヤチェンジが可能です。
まあ、純正 H パターンがレバーを前後に動かすだけの I パターンになるだけで、
根本的にマニュアルミッションであることには変わりありません。
ギヤが入ったらクラッチを繋いでシフトアップ完了です。
レバーは (3)の位置から自然にレバーが戻る位置(1)へ戻しておきます。
レバーは1回手前に引く度に1速ずつアップし、6速まで上げると手前に引けなくなりますが、
レバーに付いているリングを上に引っ張るとレバーが手前に引けるようになりニュートラルに
戻せます。
※ N → 1 → 2 → 3 → 4 → 5 → 6 → リングを上げてレバーを引く → N に戻る
この機能を使えば信号などで止まった際に、一気にニュートラルに戻せて便利です。
ただし、この機能は必ず停車してから行うこと。
走行中に使ってニュートラルに戻ってしまうと次は1速にしか入りません。
シンクロの関係上、かなり減速するまで1速には入らないので注意が必要です。
【 シフトダウン 】
クラッチを踏んでから、シフターのレバーを前方に押します。
シフトアップの時と同様に、感触が変わるポイントがあります。
上の写真の (4)が 「 スーッ 」 と動く部分で、(5)が 「 グイッ 」 とギヤが入る部分です。
※ ちなみにこの感触を上手く利用して、(5)の入る感触になる直前にレバーをいったん止めてから
クラッチを踏み直すと ダブルクラッチ操作が可能 です。
ギヤが入ったらクラッチを繋いでシフトダウン完了です。
レバーは (5)の所から自然にレバーが戻る位置(1)へ戻しておきます。
なお、シーケン・シフターは 「 4速 → 2速 」 のような順番を飛ばしたギヤチェンジは出来ませんが
クラッチを踏んでから繋ぐまでにレバー操作を2回繰り返す事で、順番を飛ばしたギヤに繋げる事
は可能です。
※ イケフォーミュラ社のホームページ に、GDB デモカーでの実走行を車内カメラで撮った
ムービーがあります。ご興味のある方は是非ご覧になられる事をお薦め致します。
■ レバーのストローク範囲
↑ 通常状態。
↑ 写真:左 一番押し込んだ状態です。
写真:右 一番引いた状態です。
シフトレバーは見た目が長くなっていますが、支点部分も上に来ているため、実際のストロークは
思ったほどではないですね。
ちなみに、シフトノブとバック操作用のリングの位置は、ある程度の高さ調整が可能です。
ご自身の好みに合わせて高さを変えてみると良いでしょう。
■ おまけ。。。
第1話の掲載に間に合わなかった製品構成の画像です。。。(^^ゞ
( 画像提供 : イケヤフォーミュラ社 )
1 … シフター本体
2 … ミッション側に取り付けるパーツ
3 … 純正利用パーツに装着されているゴムブッシュと交換して取り付けるデルリンブッシュ
4 … 本体とミッション側とを結ぶリンケージ
5 … 車内・外を仕切るゴムシートと取付枠
■ 次回以降の予告
次回以降は以下のように予定しております。
・ オプション類について : インジケーター、シフトブーツ、内装パネルの交換など ( 第3話の予定 )
・ サーキット走行について : サーキット走行後にレビューを書きます ( 時期未定 m(_ _)m )
次回をお楽しみに〜 (^-^)ノ
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