↑ これが 「 F-con is 」 です!
サブコンの弱点だった 「 ECU 自己学習でのセッティングのズレ 」 を回避できるスグレモノ!!
■ サブコンの弱点?!
ECU チューニングを行う際、とてもポピュラーな方法である 「 サブコン 」 によるセッティングは
純正ECU 制御値を土台に追加形式で行うため、そっくり交換してしまう 「 フルコン 」 方式と比べて
導入しやすい利点や、いつでもノーマルに戻せる安心感があります。
しかし、近年の純正ECU は、刻々と変わるエンジンコンディションのフィードバックも非常に多くなり、
いわゆる 「 自己学習 」 が頻繁に行われていますので、せっかくサブコンできっちりとセッティングを
出しても、本来であれば土台となるはずの純正ECUの制御値が学習によって変更されてしまうため
ある程度の期間が経つと 「 セッティングのズレ 」 が避けられない状態 でした。
今までこれを回避するには、定期的に純正ECU のリセットをしたり、サブコンのリセッティングしか
無かったワケですが、これを回避出来るようになった賢いサブコンが 「 F-con is 」 です。
■ OBD2 通信ケーブルによるアンチ補正
実際、どのように自己学習を回避するかと言うと、純正ECU が学習した値をメンテナンスの時に使う
診断用コネクタ ( OBD2 コネクタ ) から受け取り、その学習を相殺する 「 反補正値 」 を純正ECUに
送り込んで学習値を無効化します。
判りやすい例を書いておきますと…
・ 各センサーからのフィードバックで、純正ECU が 「 1%ぐらい燃料が薄い? 」 と判断すると…
↓
・ 純正ECU は、燃料を+1%濃くするよう学習します。
↓
・ OBD2 コネクタから 「 燃料を+1%濃くするよう学習した 」 と学習結果を信号として受け取ります
↓
・ 受け取った信号とは正反対の値 「 −1% 」 を学習するよう、信号を純正ECUに送り込みます
↓
・ これにより純正ECU は +1% を学習したあと、すぐさま −1% を学習させられます
↓
・ 結果として足し引きゼロになり、学習していないのと同じになります
このように、常に補正に対する反補正値を学習させているので、自己学習が行われていない状態と
同じになり、サブコンの弱点であった 「 自己学習によるセッティングのズレ 」 が無くなります。
今まであれば 「 ズレることを予想して、ある程度あまいセッティング 」 しか出来なかったのですが、
F-con is では、より突っ込んだ 「 パーフェクトなセッティング 」 が可能になって来るワケです!
↑ これが、「 OBD2 通信ケーブル 」 です。
ハンドル下にある OBD2 接続コネクタに差し込んで使います。
↑ 左が F-con is 、右が F-con SZ 。
中身の基板の大きさはさほど変わらないようだが、ケースは圧倒的に F-con is のほうが大きい。
↑ F-con is のもう1つの特長、モニター出力機能。
各センサーからECUに入ってくる信号値をモニター表示する事が出来るようになりました。
外部入力端子のあるカーナビ等のモニターに繋ぎ、付属のスイッチで表示項目を切替えて見れます。
↑ F-con is 本体は、助手席側のダッシュボードの奥に設置。
エアコンフィルターの右横です。ちょうど縦に吊り下げて取り付けるぐらいのスペースがあります。
市販の汎用ステーを駆使して設置しました。
▼ ECU セッティング
↑ セッティングはいつものように、ティーゲットの境さん に頼みました。
ダイノパック式のシャーシダイナモに繋いで、データを見ながら細かく設定を煮詰めて行きます。
↓ そして、結果はこれ!! ( 左から、トルク値、馬力値、空燃比値 )
馬力は 361.0ps 、トルクは 47.2kg/m です!!
今回は、今まで装着してた高回転型タービンを外し、タービンとエアフロをノーマルに戻してます。
これは、ミニサーキット等で 低回転域のレスポンスを向上させ、扱いやすくするのが目的 です。
あと、最近のガソリン価格高騰の対応策ってゆーか、少し燃費が良くなれば、、って感じですか(笑)
グラフ的には高回転型タービン装着時よりも、パワーやトルクの発生が低回転側へと移行しました。
( その代償として、高回転側の伸びが減り、ピークパワー発生後のタレも大きくなりましたが… )
一応、狙い通りに特性変更が出来たと思います。
【 参考値 】
4000rpm でのトルク : 以前の高回転型タービン : 34kg/m → 現在の純正タービン : 41kg/m
4000rpm でのパワー : 以前の高回転型タービン : 200ps → 現在の純正タービン : 240ps
ただし、平均的な チューンド GDB のパワーグラフと比べると、まだ少し高回転寄りのように感じます。
個体差、もしくは長い間、高回転型タービンを装着してブン回してましたのでエンジンも高回転癖(?)が
ついてしまったのかも知れません。(笑)
私の GDB の場合、もっと低回転側を強化するなら、「 VALCON Pro 」 が要りそうですね。
これは今後の検討課題にしたいと思います。。。
理想としては、あと 300 〜 500rpm ぐらい低回転域にシフトしてくれれば良いんですけどね〜
( パワーは 4000rpm で 300ps 、トルクは 4000rpm より低い所でピークが出てほしいですね )
まあ、理想はともかく、安全マージンを充分に取ってもこれだけのパワーとトルクを得てますし、
サブコンの弱点だった 「 ECU 自己学習によるズレ 」 を完全にシャットアウト出来ますので、
これはもう 「 パーフェクトセッティング 」 と言っても過言では無いでしょう。 (^-^)v
▼ モニター出力設定
1画面を6分割して表示されます。( 1画面 = 6項目表示 )
画面は3画面分あり、付属のスイッチを1回押す度に画面が切り替わって表示されます。
表示内容はパワーライター店で変更可能。
現在、とりあえず暫定仕様で、下記のようにしてあります。
【 1画面目 】
REV → エンジン回転数
SPEED → 車速
THROTTLE → スロットル開度
BATT → 電圧
WATER T → 水温
AIR TEMP → 吸気温
【 2画面目 】
AIR FLOW → エアフロ出力
IP OUT1 → インジェクター出力
ING 1 → 点火タイミング ( OBD2 からの値 )
A/F L1 → A/F 学習値 ( OBD2 からの値 )
A/F → 空燃比値 ( 注1 )
KNOCK LV → ノックレベル ( 注1 )
【 3画面目 】
BOOST → ブースト計 ( 注2 )
FUELPRES → 燃圧 ( 注2 )
WATER TM → 水温 ( 注2 )
OIL TEMP → 油温 ( 注2 )
OIL PRES → 油圧 ( 注2 )
EXT TEMP → 排気温度 ( 注2 )
※ 注1 → 機能させるには、別途 A/F ノックアンプが必要
※ 注2 → 機能させるには、別途 DBメーターインターフェースユニットが必要
★ F-con is には、外部入力端子が1つしか無いため、OBD2 ケーブルを既に接続している場合、
ノックアンプや DB メーターインターフェースは接続不可のようです。 ( どれか1つ接続可。 )
▼ AVC−R ( ブーストコントローラー ) のセッティング
【 ブーストコントロールエンジン回転設定 】
タービン変更に伴い、制御範囲を変更しました。
タービン特性 ( パワーバンド ) が低回転側に移行した分、制御域も低回転側へとシフト。
※ 以前は、4000rpm 〜 7500rpm で設定してました。
【 ギヤ別学習設定 】
AVC−R の学習は全てのギヤで行う設定。
【 スタートデューティー値 】
暫定値ですね。AVC−R の学習が進んで不具合を感じたら、いじることにします。
【 フィードバックスピード 】
ノーマルタービンに戻したので、値を多めに変更 ( 根拠無し(笑)です。ヤマ勘セッティング (^^ゞ )
【 ブースト圧の設定 】
低中回転域で疑似オーバーシュートさせる 「 必殺・必勝セッティング 」
※ 疑似オーバーシュートとは、実際のオーバーシュートが起きた時と同じように、
ブーストのかかり始めの低回転域で、高めのブースト圧になるようにする設定。
ノーマルECUも、これと似たような制御のようで、下側で高めのブースト圧となります。
ちなみに以前と比べ、低回転域で多め、中高回転域でブーストを落とすタイミングは早めにしてます。
4000回転以下で 1.45 、ブーストの落とし始めは 5000回転に設定。
( 以前は 5500回転で 1.35 に落とし始める設定でした。 )
【 DTY値 】
AVC−R の自己学習が進んでないので、実走行で変化すると思います。。。(^^ゞ
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